子どもの心の受け止め方

川上康則 著
光村図書出版
1300円+税

特別支援学級で着目すべきポイントを解説したハンドブック。

第1章、第2章は、副題の通り「授業の規律や学級の秩序を乱す子」「衝動性の高い子」などの心情や指導方法を解説する一方、「『ムカつく』や『ウザい』が口癖の子」「書こうとしない子」といった“グレーゾーン”の子供についても言及されている。“発達につまずきのある子”に限らず、さまざまな個性を持った子供と接する際の参考書として、非常に使い勝手が良い。

褒め方や叱り方などを紹介する第3章内のコラムは読み応え十分。筆者は「どう褒めるのか」「どう叱るのか」といったテクニック論ばかりが求められている現状をやゆし、教師と子供の信頼関係の構築を軽視してはいけないと強いメッセージを送り、コミュニケーションの本質を突き付ける。

そして、第4章では、障害を持つ人や長期間の闘病生活を送っている人を兄弟姉妹に持つ“きょうだい児”、適切な支援が届かずに失敗経験を繰り返したことにより、副次的なつまずきが進行する“二次的障害”など、表面的な部分だけでは見えてこないケースを紹介。子供自身が問題と感じていない問題を示すことで、教師に多様な視点を授けてくれる。

新任・若手の教師をターゲットとしているが、変化の激しい今の時代、過去の経験則が生きないケースも珍しくない。キャリアに関係なく、全学校関係者、さらには保護者にも目を通してほしい充実した内容となっている。