(鉄筆)東日本大震災から10年……

東日本大震災から10年の節目を迎えた。人々はどのような思いで迎えたのだろうか。この10年を振り返って、さまざまな事実や新たな状況などが報道されてきた。津波による被害、原子力発電所事故とそれによる被害、その後の避難による困難など。今だから見えてきた新たな事実、さまざまな声や思いに改めて驚かされたことが多くある。

被災地では、復興が順調に進んでいるところがあれば、その逆で高齢化や人口減少で先細りの状況のところもある。転居先から戻りたくても戻れない事情がある。避難の仕方や避難生活の様子も一様ではない。

双葉町の町ごとのさいたまアリーナへの避難、さらに閉校した高校への避難と肩寄せ合う生活。最悪のレベル7の原発事故の惨事、最近判明した過去の原発事故に学ばなかった事実。東北各地での行方不明者は今も2500人を超える。身元不明の遺体の資料や情報を丹念にたどる捜査が続いている。切手の唾液から採取したDNA鑑定で身元が判明した例もある。

10年がたち犠牲者を知る人も少なくなり特定作業を急ぐ必要があるという。潜水の免許を取って海に潜り娘を探し続けているお父さんがいる。10メートルの防潮堤が過信を招いた。ここには津波は来ないと思った。逃げていれば。声を掛けていれば。いろいろな悲痛な声が聞こえてくる。

節目とは区切りのことと辞書にある。区切りと区切りには間がある。節目は終わりではなく始まりだ。いつか必ず来る次の節まで、節の間こそ過去の教訓に学び防災教育をしっかりと行い、備える時である。