(鉄筆)夜間中学の設置を……

国が地方自治体に対し夜間中学の設置をせき立てているように見える。2月16日、文科省から初中局長名の依頼文「夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について」が出された。

過去、夜間中学の設置に対し冷ややかな態度をとってきた国が一転、積極的な設置の方向に向いたのは就学の機会均等などという大義名分だけではない。慢性的な国内の労働力不足によるところが大きい。今回の依頼文にもあるように、入学対象者を不登校経験者や外国人に広げていることからもそれは分かる。

2010年の国勢調査によれば国内の未就学者(小学校未修了)数は約13万人いる。その後不登校児童生徒数も増加している。また、在留外国人数は20年現在約288万人おり、そのうち生産年齢(15~64歳)人口の割合は実に84%を占めている。ちなみに日本人の同年齢の割合は59%である。つまりまん性化する労働者不足を打開するためには外国人の確保と若年労働者層である20~39歳の日本人の掘り起こしが必要なのである。

菅義偉首相も1月の予算委員会答弁で夜間中学を今後5年で各都道府県および指定都市全てに少なくとも1校は設置すると断言しているほど夜間中学の存在価値は高まっている。

学校はこれまで不登校問題に対し「学校復帰」を目標に尽力してきたが、いまや「社会的自立」のために何をやれるかが命題となっている。小中学校で満足に学習できなかった子供の再就学も可能となり、その受け皿が夜間中学なのである。これも義務教育制度下の「新しい生活様式」なのかもしれない。