きみのなまえ

あんずゆき 著、かなわざまゆこ 絵
佼成出版社
1320円(税込)

「あの犬、きたないね」「ぜったい、くさい」。みんなから笑いものにされている近所の野良犬のことが、たくとは気になっていた。お母さんに相談すると家で保護しようとなり、一緒に林の近くの掲示板に貼り紙をして、連絡を待つことに。

ある日、保健所に連れていかれたという目撃情報が入り、急いで保健所に向かう。ゲージの中で弱々しい犬の姿を見て、たくととお母さんは飼うことを決意する。

クリと名付けられたその犬は、あまりなついてくれなかったが、次第に心を開いていく。一緒に近所を散歩するようになると、クリの意外な真実が判明する。2019年に福岡県であった実話を、作者が取材をして創成された物語。人間関係がますます希薄になる昨今、人の優しさがどれほど温かく、どれほど見えにくいかを感じさせてくれる。