(鉄筆)立派な伝統……

各地の卒業式の様子が報道されていた。コロナ対策を講じて式を挙行したようである。

多くの学校で行っている「呼び掛け」はできたのだろうか。「〇〇小の伝統を受け継いで楽しい学校をつくってください」「皆さんの後を受け継いで○○小の伝統を育み新しい歴史をつくっていきます」卒業生が受け継ぎ育んできた母校の歴史・伝統を在校生につなぐ最後の機会。大事に育んできた学校の特色、歴史、伝統、文化がこのコロナ禍を乗り越えつながり発展していくことを願う。

東京の多摩市立豊ヶ丘小学校が「地域学校協働活動」の文科大臣賞を受賞した。統合・開校以来10年、児童らが地域住民と一緒に学校林を守ってきた取り組みが優れていると賞された。同校には校庭の西側にサッカー場ほどの広さの学校林がある。半世紀前のニュータウン開発時から手付かずに残っていた林だ。初代校長が地域に呼び掛け一緒に育てることを提案。以来、学校は総合的な学習を中心に活用した。

相手は自然なので放っておけば荒れるし、草取りも大変。林の中の木々や草花、生息する虫や動物、飛来する鳥などを観察したり調べたりする。散歩道に階段や柵を造ったり、シイタケを育てたりもする。どの学年がどんなテーマで活動するか試行錯誤の10年だった。

子供たちが学校の伝統として受け継ぎ次の学年に伝えてきた。地域の関係者も継続して支援・応援している。10年だが立派な伝統になり学校の歴史を刻んでいる。秋に10周年記念式典があるそうだ。節目を刻んでさらに発展させることを期待したい。