(鉄筆)小学校の35人学級で……

小学校の学級編制標準を現行の40人から35人に引き下げる義務標準法改正案の国会での審議。この審議は35人学級の教育効果の有無や中学校の35人学級あるいは将来の小中学校における30人学級実現など、少人数学級の再構築につながる重要な機会である。

萩生田文科大臣の答弁を聞くと、少人数学級推進の目的が学力向上といった狭い視野のものでなく、人格完成という教育本来の目的に沿ったものであることが伝わる。これは先日、中教審が公表した答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」の考え方とも合致する。

問題は学校教育をつかさどる教員である。子供たちの個別最適な学びや協働的な学びを実現するのも未来社会を切り拓くための資質・能力を獲得するのも教員の力なくしてはできない。

しかし、現状は厳しい。2020年度の全国の教員採用選考倍率は3.9倍で、小学校に限って言えば過去最低の2.7倍である(文科省調査)。教員の質の低下を指摘する声はすでに各地から聞こえてくる。それを裏付けるかのようにわいせつ事案で処分された教員数が18年度は過去最高となっている。これでは少人数学級の効果検証どころの話ではない。

世間一般に定着してしまった「学校のブラック化」も大きな影響を与えている。採用後3年以内で退職する若手も多い。働き方改革や教員育成を並行して審議しなければ「画竜点睛を欠く」であり本当の検証にはならないことを文科省は強く認識すべきだ。