(円卓)令和の養成-採用-研修の新段階に向けて

北海道教育大学副学長 玉井康之

去る3月12日に文科相は、中教審に対して教員の養成―採用―研修に関する包括的な諮問を行った。

養成―採用―研修を包括的に進めるためには、まず教員養成系大学とそのステークホルダーである地元の都道府県教育委員会で包括的な連携を進める必要がある。大学は教育委員会と連携して大胆なカリキュラム改革を進めることが重要であるし、また教育委員会・学校現場も大学の普遍的な実践理論を研修に取り入れることが求められる。

この養成―採用―研修に関わる課題を若干例示的に提起するならば、以下の点も課題になる。

(1)大学生段階のみならず高校生段階からの教員志望者の拡充。本当に教職に就きたい人に教育学部を目指してもらい教職資質のある人を入学させる選抜方法を強化しなければ、教職意欲が継続しないからである。

(2)大学内の教育実習・実践機会の段階的・系統的な拡充。やはり実践経験が豊富になければ、教師の実践的な資質・能力は高まらない。そのため1年次から4年次まで、段階的・系統的に教育実習の内容を高度化していく必要がある。

(3)大学カリキュラムにおける教育実践を学ぶ講義の拡充。イメージトレーニングを含めて、教育実践の具体的で多様な方法論を学ぶ機会を拡充することで、実は教育理論も理解が深まる。

(4)「個別最適な学びと協同的な学び」を実感できる少人数の子供の指導経験の導入。「個別最適な」教育活動の効果は、少人数の指導の中でリアルに実感できるからである。

(5)学部・教職大学院講義と教育委員会・学校現場研修との連携。教職大学院講義などを学校現場研修に提供したりラーニングポイント制度を導入したりすることで、研修活動における実践理論と実践活動の一体化を図れるからである。

(6)ICT機器の効果的な利用方法と研修活動の充実。ICT機器は、導入だけでは効果は上がらず、授業や教育活動における効果的な利用方法の開発と課題の克服を進めることで、有効な道具となるからである。

(7)採用においては、教員自身が協働的に行動できる教員を採用するという観点が不可欠である。

これらは一例であるが、大学と教育委員会による大胆な養成―採用―研修の在り方を変えていく必要がある。