スマホ脳

アンデシュ・ハンセン 著
新潮社
1078円(税込)

教育大国・スウェーデンの精神科医がスマートフォンやタブレットなどのデジタル機器へ依存することのリスク、デジタル社会から受ける影響について警鐘を鳴らす。

日本の学校現場においても1人1台端末を前提とした新しい授業づくりが進み、デジタル教科書の活用が今後一層進んでいく。ICTを活用することで学びが深まり、個別最適化された学習が実現できるなど多くのメリットがある一方で、多くの人が画面を見て学習する時間が増えることによる影響を懸念しているのも確かだ。

本書では、最新の脳科学の実験から得た恐るべき結果がいくつも紹介されている。ある研究では、授業中にスマホを所持していない子供の方が、スマホを所持している子供よりよくノートをとり授業内容を覚えていたという。また、同じ短編小説を紙の書籍で読んだ場合とタブレット端末で読んだ場合、前者の方が内容を細かく覚えていたという調査結果も紹介されている。著者によると、「記憶力」や「集中力」といった知能がスマホのせいで低下するという。

昨年、文科省は、中学校へのスマートフォンの持ち込みを条件付きで認めた。教育現場でデジタル機器との付き合い方をどのように捉え、子供たちの健康、学びを守るために何を伝えていけばよいのか。巻末には、デジタル社会に生きる私たちが、その影響を最小限にとどめるための具体的なアドバイスがまとめられている。