withコロナ時代の新しい学校づくり 危機から学びを生み出す現場の知恵

村川雅弘 編著
ぎょうせい
2750円(税込)

新型コロナウイルスの感染拡大による学校休校から再開までの経緯や新しい生活様式を踏まえた学校運営、対面を前提としない授業づくりなど、学校現場で行われてきたリアルな取り組みを紹介。

事例編では10の事例を取り上げる。コロナ禍を契機に本格的にICT化を実践する私立小学校、従来のやり方に縛られない運動会の実施を目指す八丈島の中学校など、内容だけでなく取り上げる学校も多種多様。

とりわけ、兵庫県たつの市立新宮小学校のオンライン授業の向き合い方は興味深い。各家庭のインターネット回線や端末の所持率を加味した上で、リアルタイムでの双方向授業は難しいと判断し、児童自身が都合のよい時間に学習できる「オンデマンド学習」を展開している。持続的な教育の提供に挑戦する姿勢は学べる点が多く、ロールモデルに加えて新しいアイデアを見つけられるだろう。

理論編では5つの理論が掲載されている。大学教授や小学校校長が現状の課題や目指すべき指標を丁寧に解説。「withコロナ」の中であっても、生徒が主体的に学べるための学校づくり、授業づくりのヒントが記されている。

新型コロナウイルスの登場によって、学校だけでは児童生徒の教育の機会を確保することが困難になり、家庭だけでなく地域の役割も問い直す必要が出てきた。新しい時代の教育様式を模索するため、学校関係者だけでなくさまざまな人にも目を通してほしい。