(鉄筆)GIGAスクール構想……

緊急事態宣言の延長などにみられるように、新型コロナ感染防止に関する政府や自治体が提唱した人流抑止対策は成功しているとは言い難い。これら対策の多くが国民の良識を前提としたものであり、政府の戦略が見えないことが国民の反応に表れているのかもしれない。

同様に、鳴り物入りで始まった国のGIGAスクール構想だが、こちらも学校現場が混乱している。本紙が先日行ったウェブアンケートでは、子供1人1台の端末の配備をはじめとする環境整備面では自治体・学校間格差が目立つ。活用面でも教員間格差が明白だ。大切なことは教員の負担感を解消し、変化を前向きに捉える余裕を取り戻すことから始めるべきだろう。

もう一つ気になるのが、文科省が実施したデジタル教科書に関するパブリックコメントの結果である。どうやら世論はデジタル教科書導入に手放しで賛成ではないようだ。

この政策の基本となっている「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」の中間まとめを見ると、デジタル教科書のデメリットにはほとんど触れず「デジタルありき」の発想でまとめている印象を受ける。それがかえって不安をかき立てる結果となっている。

日本の子供の読解力低下に警鐘を鳴らした国立情報学研究所の新井紀子氏はその著書『ほんとうにいいの?デジタル教科書』(岩波書店)において、デジタル教科書の拙速な導入の危うさを指摘している。子供の脳や視力への悪影響を危惧する声も多い。前述の教師たちの現状もよく加味して再検討してもらいたい。

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