見知らぬ友

マルセロ・ビルマヘール 著
オーガフミヒロ 絵
福音館書店
1870円(税込)

地球上で日本と真反対に位置するアルゼンチン・ブエノスアイレスの街で繰り広げられる、人生の秘密とほろ苦さ、ささやかな喜びが詰まった10個の物語。不器用で友達がいない、女の子にもてない、お金がないなど、とにかくさえない主人公の日常を通して、10代の揺れ動く心を巧みに描く。国や時代背景は違えども、同じ年代の中高生に手にしてもらいたい短編集である。

本のタイトルにもなっている「見知らぬ友」では、ピンチのときに必ず助けてくれるありがたい友達が出現する。おかげで算数のテストでは満点が取れ、好きな子に思いが通じるようになる。大人になってからは仕事も家庭も順風満帆だったが…。

主人公の心の動きに共感したり人生の悲哀を感じたりしながら、思いもよらない結末に思わずしんみりとしてしまう。