文字からわかる子どもの心理 教師のための筆跡診断マニュアル

村山千佳子 山上隆男 著
学事出版
1870円(税込)

長年、不登校や引きこもりをなくすための活動に従事してきた筆跡カウンセラーと共創カウンセラーの筆者らが、筆跡からその個人の性格や心理状況を分析する“筆跡診断”を解説。子供が抱える可視化できない問題を、筆跡からくみ取るための方法論がまとめられている。

5章に分け、筆跡診断という聞きなじみのない診断方法をコンパクトかつ具体的に記す。第2章、第3章では実際に子供が書いた漢字や文章を用いて、“払いの長短”や“はねの強弱”などから伺える性格や行動傾向を説明。何気ない文字の書き方からでも個人の特徴が見えてくることに面白さを覚える。

第4章では、「筆跡を改善するという行動が、無意識のうちに深層心理に働き掛け、その人の性格や思考、心理、行動を変えられることがある」とつづる。「たかが筆跡で」と思ってしまいそうだが、筆跡指導によって両親の離婚や受験勉強の苦しみから立ち直った事例を掲載。筆跡指導を通して心の問題が解消する“筆跡カウンセリング”の可能性を教えてくれる。

本心を口にすることに抵抗があり、不満や悩みを打ち明けられない人は、子供に限らず、大人でも多い。筆跡診断について理解しておくと、個々人のSOSにいち早く気付くことができ、適切な支援につなげることが可能になる。パソコンやスマートフォンで文章を入力することが一般化した昨今、字を書くことの尊さを今一度考えさせてくれる1冊。