学校現場にいかす特別支援教育ワークブック-多様な子どもたちへの理解を深める-

向後礼子・山本智子 編著
ミネルヴァ書房
2420円(税込)

本書は、教職課程の「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解」に対応した、小・中・高等学校、特別支援学校の教員を目指す学生のための「特別支援教育」テキストである。

比較的理解しやすい「視覚障害」「聴覚障害」「肢体不自由」の他、知的障害や自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠如多動性障害等の「発達障害」、総合失調症・気分障害、強迫性障害・摂食障害等の「精神障害」、さらに児童虐待やSOGIをめぐる課題について基礎的な知識を解説。さらに、教員としてどのように接するのが適切か、配慮すべきポイントが整理されている。最終章では、特別支援学校での活動内容や現場で抱える課題にも触れている。

本書の特徴は各章のまとめにワークが付いている点。知識を一通り理解するだけでなく、事例を読んで子供の思いの背景を想像する、教員としてどう行動すべきか考えるなど、当事者としてどう向き合うかを考えるよう工夫されている。巻末には「ワークのヒント」もあるので参考にできる。

通常学級にもさまざまな障害のある子供たちがおり、文科省が定義する障害の範疇に入らなくても支援と配慮を必要としている子どもも少なくない。教員は、そのような子供との関わりに悩む保護者にも対応しなくてはいけない。現職の教員にとっても、本書は目の前の多様な子供たちの理解を深めるために多くのヒントが得られる1冊である。