(鉄筆)「ヤングケアラー」の実態……

家庭で家族の世話・介護をしている子供、いわゆる「ヤングケアラー」の実態が先日、厚労省・文科省実施の調査により明らかになった。

調査対象は全国の中学・高校に通う生徒で、約1万3千人から回答を得た。「世話をしている家族がいる」という生徒の割合は、中学生が5.7%、高校生が4.1%であった。世話などに費やす時間は、平日1日の平均で中学生が4時間、高校生が3.8時間で、1日に7時間以上の生徒は1割を超えていた。

世話などの内容はさまざまだが、食事の準備や洗濯などの家事が多く、中にはきょうだいの保育所への送迎もある。困ることとして、「自分の時間が取れない」が20.1%、「宿題や勉強の時間が取れない」が16.0%(ともに中学生)いた。「相談した経験がない」という生徒は中高生ともに6割超。その中の「誰かに相談するほどの悩みではないから」「相談しても状況が変わるとは思わない」という声が気になる。

こうした実態を踏まえ国はプロジェクトチームによる支援策を打ち出したが、この問題は教育だけでなく福祉・介護・医療にも関係しているため、縦割り行政では迅速な対応が難しい。

ヤングケアラーを発見する人間は比較的教師に多いという。学校にはいじめ対策などですでに教員、地域住民、児童相談所や家庭支援センターなどの関係機関による対策チームが存在し成果も上げてきた。この機動力のある組織を国や自治体がどう生かすか、その手腕に期待したい。