小学校教育漫才テクニック30

田畑栄一 著
東洋館出版社
1980円(税込)

埼玉県の市立小学校で校長を務める著者が、コミュニケーション能力や情報収集能力、語彙(ごい)力を育くむための手段として〝教育漫才〟の有効性を示す。お笑いがいじめの温床になり得ることに触れつつ、マイナス言葉を使わない、蹴ったり殴ったりしない、などルールを設け、子供が教育漫才を実践するテクニックをまとめる。

具体的なテクニックとして、コンビの決め方から始まり、当日の会場作り、発表する際の段取りなど事細かに紹介。コンビを決める際に「好きな子同士で組みたいです」と言い出す子供には、「『むしろあまり知らない子同士の方が、知らない面を掛け合わせて面白いネタをつくれる』という狙いをもって助言してあげるとよいでしょう」と教師が戸惑うであろうポイントも押さえている。

ボケやツッコミといった基本的なネタの作り方の指南に留まらず、あるあるネタや時事ネタなど本家の漫才師顔負けのテクニック論についても説明。生徒が抱えそうな不安に配慮するだけでなく、オリジナリティーを追求したい向上心のサポートまで工夫されており、携わる全ての人が安心して教育漫才に挑戦するメソッドが充実している。教育と漫才、この2つの意外な組み合わせに疑問を持ってしまいそうだが、読み進めていくと意外と相性が良いことに気付く。先行き不透明な時代だからこそ、〝笑い〟の重要性を感じさせられ、読み終えた時に教育漫才の可能性に期待したくなる。