(鉄筆)お天道様が見ている……

「お天道様が見ている」――。2人にはこの戒めの自覚はなかったのか。経産省の若手キャリア官僚2人が、新型コロナウイルス感染症対策の「家賃支援給付金」をだまし取ったとして警視庁に逮捕された。

申請や審査の仕組みを熟知した上で不正受給を行ったと報道されている。2人とも超難関有名大学出身で若手の取りまとめ役的な存在、有望な人材と評価されていたとのこと。なぜこのような犯罪に手を染めたのか。

「お天道様が見ている」――かつては悪さをする者に「誰も見ていないと思っても、お天道様が見ているぞ」と諭した。お天道様に見られている、悪さをする自分の姿をイメージするというところか。今日ふうに言えば「メタ認知」するということ。キャリア官僚の若手の2人には「メタ認知能力」がなかった、身に付けてこなかったのだろうか。「メタ認知」は「自分で自分の心の働きを監視し、制御すること」(広辞苑)とある。

東京都千代田区立麹町中学校などでは「メタ認知能力」を高めて教育効果を上げる実践が進められている。自己の立場や社会の情勢を客観的に俯瞰的に捉え、自分がどう行動すべきかについて考える、自分を高める学習ができていれば、このような破廉恥(はれんち)な行為はしなかっただろう。そのツケは大きすぎる。

現在、そしてこれからの子供たちには学習の振り返りなどを通してメタ認知能力の育成が行われている。学んでいればこの2人のようなことはしない。お天道様に見られている自分を意識する大切さを昔の人はよく知っていたのだと感心する。

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