教師が悩んだときに読む本

諸富祥彦 教師を支える会 編著
図書文化社
1760円

教師一人一人を応援し、学校をより良いものにするために創設された“教師を支える会”と、同会の発起人である筆者が、教師がやりがいを持って働き続けるための基礎知識を6章ごとに紹介する。

教師同士が支え合える教育現場の実現を重要視しており、第2章では、“若手教師からベテラン教師”“ベテラン教師から管理職”といった、さまざまな立場の人がどのようにコミュニケーションを取るべきかを紹介。

第4章では、娘が不登校になったり、学級崩壊を経験したりするなど、壮絶な過去を持つ10人の教師が自身の体験を赤裸々に語る。うつ病を克服した教師の「安心して話ができる環境を自ら探し、つくっていくことによって、悩みや苦しみがあっても生きていけるのだと思います」という言葉は重い。共感できる要素も多分にあるが、現在の悩みを解決するための光も照らす。

最近話題の「マインドフルネス」を始め、「こころスケール」といった自分自身のメンタルヘルスを守るためのセルフヘルプ法がまとめられた第5章は、教師に限らず目を通したい。スクールカウンセラーとして30年間に渡り、小中高などで教師と接してきた著者の知見が詰まった章になっている。

教師の離職率は増加傾向にあり、精神疾患を理由に学校現場を去るケースは珍しくない。本書は、そんな“ブラック職場”と認識されつつある学校教育を、調整してくれる処方箋になるだろう。

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