教師が知らない「子どものスマホ・SNS」新常識

藤川大祐 著
教育開発研究所
1980円

小中学校でのスマートフォンの持ち込みが事実上解禁されたことを踏まえ、いじめや犯罪被害、依存症、ゲーム課金など、子供たちの生活の中心となっているインターネット空間のリアルをさまざまな問題を軸に展開する参考書。

基本的には、過去の流れをくみながら現状に触れていくため、機械音痴な人でも読みやすい。ただ、〝ステメいじめ〟という聞きなじみのないいじめが横行していたり、子供を犯罪から守るためのSNSのフィルタリング機能が脆弱だったりなど、子供の生活やメンタルにさまざまな悪影響を与えている現状を次々と突き付ける。

一方、「スマホ・SNSがあるおかげで、犯罪に走ることが抑止されている可能性があります」と決して過去を礼賛する〝懐古主義〟な見方で、今の子供が置かれている状況を批判的に捉えるべきでないという指摘は面白い。今と昔、子供と大人など、教育に関する議論は何かと対立構造が生まれやすい。しかし、中立の立場から、今の時代、これからの時代に適した教育を論じる筆者の姿勢は見習わなくてはいけない。

若者の流行は周回遅れを繰り返した後、ようやく大人の耳に届く。子供の異変をより早くキャッチするためには、時代の流れにアンテナを張り巡らし、その上で順応することが必要である。デジタルネーティブ世代と呼ばれる現代の子供と正面から向き合うために、目を通しておかなければいけない必読書と言ってよい。

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