(鉄筆)緊急事態宣言下でのオリンピック……

 緊急事態宣言下で行われたオリンピック。開会式直前に混乱があったが、この平和の祭典が後に評価されることを心から祈っている。今回の開催について異議を唱える人がいることは承知しているが、子供たちに夢を与えるという点ではオリンピック、パラリンピックの持つ影響力は大きい。今回出場している代表選手の中にも小さい頃オリンピック・パラリンピックを見てこの世界に入ったという人間は多い。

 残念ながら開催地・東京で企画していたオリンピック・パラリンピック教育関係事業の多くは中止または縮小に追いやられているが、家庭での観戦・応援をした子供も多いだろう。

 そんな中、大会2日目に2人の名選手がオリンピックの舞台から去った。1人は体操の内村航平選手、もう1人は重量挙げの三宅宏実選手だ。共にトップアスリートとして長年その地位を保持してきた努力は並大抵のものではない。周囲からの期待や圧力もあったろう。その精神力には敬意を表する。

 栄光や称賛に満たされた全盛期ばかりに関心が向けられるが、地道な努力や周囲からの圧力に負けない耐性にスポットを当てることの方がより教育的ではないだろうか。

 三宅選手の叔父であり1964と68年の東京・メキシコ五輪で2連覇を成し遂げた重量挙げの三宅義信氏は引退後、自衛隊体育学校の校長、NPO法人「ゴールドメダリストを育てる会」の発起人になるなど後進の育成に力を注いでいる。三宅選手も内村選手も自己の経験やそこで得た教訓をぜひ次の世代にに伝えてほしい。

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