世界とキレル

佐藤まどか 編著
あすなろ書房
1540円

いとこの鏡花と一緒に夏休みの〝林間学校〟に参加することになった中学2年生の舞。山奥のレトロな洋館で舞を待っていたのは、スマートフォン没収、自給自足の食材を用いた薄味の食事など、デジタルデトックスを目的とした自然との共生だった。

なじめない学校生活を忘れるためにSNSに依存気味だった舞は怒り心頭。娯楽がほとんど断たれた環境にストレスを感じ、スマートフォンに触りたい衝動に駆られる。しかし、他の参加者と交流する中で、おのおのが抱える葛藤を共有するようになり、次第に満たされなかった林間学校が心のよりどころに変化していく。

オンライン上の交流が一般化した現在。人間らしく生きるため、私たちが忘れつつあるさまざまな物事を思い出させてくれる。

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