これからの教師研究~20の事例にみる教師研究方法論~

秋田喜代美・藤江康彦 編著
東京図書
3300円

 教師とは誰か、その経験、思考、生き方、自己、文化を知ることは学校教育研究の基本であり、時代を超えて取り組まれる研究領域である。本書は、その教師の専門性や現在教師が置かれている状況について、どのように問い、研究できるかを学ぶための入門書だ。

 第1.部『理論編』は、▽「教師」について研究するために▽教師研究の方法――の2章構成。教師研究の動向や方法論について基本的な概念や枠組みを解説する。

 第2.部『研究事例編』は、▽教師の認知や情動をとらえる▽教師としての自己をとらえる▽教師の経験をとらえる▽教師の学習をとらえる▽教師の文化や組織をとらえる――の5章構成。20の研究事例が掲載されているが、中堅、若手の研究が多く取り上げられているのが特徴。教師について問うために具体的にどのような研究方法があるのか、教師研究の内容とともに考えることができる。

 第1章「教師の認知や情動をとらえる」では、教師は授業中に何にどのように着目し、どのような判断を行っているかについての研究、教師の授業研究へのモチベーションや授業中の情動に関する研究方法などを紹介。第3章「教師の経験をとらえる」では、新任教師の経験の過程や異動によるネガティブな影響に着目した研究などが紹介されている。

 卒業、修士論文で教師という仕事を問う研究をしたい、教職大学院で教師の専門性を考える研究をしたい人などにお薦めである。

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