(鉄筆)反貧困学習……

 SDGs(持続可能な開発目標)の第1番目のゴールは「あらゆる場所あらゆる形態の貧困を終わらせる」である。わが国の子供の貧困率は7人に1人と言われている。国は「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の制定などに取り組んでいるが大きな改善は見られない。コロナ禍で悪化してなければよいが。

 この問題に取り組む大阪府立西成高校の山田勝治校長のインタビュー記事「反貧困学習」が本紙の6月24、28日、7月1日に紹介された。不当な差別や経済的な困窮に苦しみ荒れていた生徒が変わっていく学校改革の軌跡の話。ネットカフェ難民、日雇い労働者、シングルマザーなどの生徒の日々の暮らしと切り離せないテーマと向き合う。

 「生徒自身が自分の生活や社会情勢に思いを巡らせる作業が、何より大切」「単に知識を得るだけではなく、現実社会の中のそれぞれの立場の苦しさを知った上で、どうすべきかを議論する」ことを重視する。教師には「彼らの生活をリアルに想像する」力を求めている。そして生徒との関わりでは「それいいね」と認めることを心掛ける。生徒の変容を目の当たりにして教師も学校も教育困難校から変わっていく。

 山田校長は「私たち教員の多くは、子供時代に学校で良い思いをして、学校に良い印象を持っています。そういう人間が学校教育の体現者となっている現状の危うさも、しっかり認識しなければなりません」と警告する。

 学力重視に偏った格差社会を踏まえた反貧困学習。小中学校ではどのような実践ができるだろうか。正面から向き合うべき問題だ。

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