(鉄筆)東京パラリンピック……

 東京パラリンピックが9月5日に閉幕した。1948年、戦争で脊髄を痛めた兵士たちのリハビリを目的にイギリスの病院で開かれた小さなアーチェリー競技会を起源とするパラリンピックも今やオリンピックと並ぶスポーツの祭典となった。

 この間、参加する国・競技者とともに競技種目も増えてきた。これにはスポーツ用具の開発・進歩が大きく関わっている。車椅子だけでも陸上、バスケットボールなど形状や機能が競技の特質に応じ作られている。走行用義足に至っては、男子走り幅跳び(義足クラス)でドイツの選手がリオ五輪の金メダリスト記録よりも24センチ長い記録を打ち立てたケースもある。障害のあるアスリートにとっては欠かすことのできない存在だ。

 これら競技者用の用具は競技者でない素人が娯楽などのために使う用具「レクレーショナルモデル」の開発と密接な関係がある。

 欧米では障害者は施設入所中からスポーツをする必要性とそのメリットについて指導を受けており、退所後も毎日の生活でスポーツに取り組み、楽しむことができる環境にある。そのためレクレーショナルモデルの用具が必要となりメーカーも開発するそうだ(「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2014年8月号より)。

 64年の第2回東京パラリンピックに初めて参加した日本人選手が外国人選手の明るさに驚き障害者自身の心のありようを変えなければいけないと感じた話は有名だ。道具も使い方次第で人間の心を変えてくれる。

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