(円卓)『教科担任制』の準備を

明海大学客員教授 釼持勉

 中教審が2021年1月に公表した答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」では、22年度をめどに、小学校高学年の教科担任制を導入する方針が打ち出された。

 これを受けて具体的な制度の在り方を検討するために「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」が設置され、先般示された報告案では、人員が追い付かないなどの理由から、外国語、理科、算数、体育の4教科を優先する形で導入していくという方針が出された。

 一方、学校現場においては「どのように舵(かじ)を切ればよいのか」「何から始めればよいのか」など戸惑う実態があり、苦悩している姿が顕著のようである。

 現在は、行政などの支援を受けて前倒しで実施している学校、教科の指導時数が調整しやすい教科での交換授業、教科担任制を実施している学校、全く手を付けていない学校に分類される。

 22年度導入に向けて次の手だてに急ピッチで取り組む必要があるだろう。

 (1)校長がリーダーシップを発揮して学校ビジョンを明確にしていく(2)教科担任制について共通理解と当事者意識を高める(3)学級担任制から学年担任制に移行して物事を考えるようにする(4)教科担任制のメリットとデメリットを共有する(5)学校規模に応じた教科担任制を構築する (6)教科担任制実施教科の評価観を共有する(7)学年編成が固定化しない配慮をする(8)時間割編成に際して教務部などで調整をして負担増にならないようにする(9)各教科の授業改善に基軸を置いた取り組みをする(10)保護者への啓発を段階的にする――の10の手だてである。

 「教科担任制」は、これまでの小学校教育を大きく転換するシステムになる。児童の変容への積極的な対応、学級経営が十分機能しない状況打破への効果、生徒指導において複眼的な評価で児童を見ていくことの具現化などがメリットとして考えられる。何よりも専門的知識を駆使して学びを提供できることから、学力向上に資することが可能となるだろう。

 こうしたメリットを得るためには、日々の授業改善が重要だ。これまでの小学校教育の機能を生かして教科担任制を成功に導かなければならない。

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