(鉄筆)自殺の予防を……

 コロナ禍の状況が改善されないまま全国の学校は新学期を迎えた。幾つかの自治体では夏休み期間延長など独自の対策を講じたが、相変わらずコロナ収束のめどは立っていない。

 コロナ禍の陰に隠れているが例年9月は子供の自殺が多発する時期である。今年6月に開催された文科省の児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議が発表した報告書案では、2020年度の小中学生および高校生の自殺死亡者数は499人になり、昨年度と比べ100人増え過去最多となった。校種別では小学校が14人(昨年度8人)、中学校が146人(同112人)、高校生が339人(同279人)で特に女子児童生徒の数が219人(同132人)と大幅にその数を増やした。

 自殺の原因・動機の上位は、(1)「進路に関する悩み」(55人)(2)「学業不振」(52人)(3)「親子関係の不和」(42人)――だが、気になるのが第4位の「病気の悩み・影響」と第5位の「うつ病」の数を合わせると77人で第1位を超え、とりわけ女子の割合が多いことだ。

 これらの傾向はコロナ禍が始まる昨年にはすでに指摘されており、先の協力者会議でも、コロナ禍で在宅機会の増えた親による干渉・叱責(しっせき)や学校の長期休業や行事の中止・延期などでのストレス蓄積で子供の孤立化・支援体制の崩れなどが大きく影響していると指摘している。

 学校ではSNSや国から配布されたタブレットなどを活用しながら子供とのコミュニケーションを保持しつつ家庭や関係機関とも連携し、子供の心の変化を見逃さない体制を構築すべきであろう。

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