弁護士と精神科医が答える 学校トラブル解決Q&A

佐藤香代 三坂彰彦 佐藤克彦 編
子どもの未来社
2530円

 これまで治外法権のような特殊な立ち位置にあった学校現場ではあるが、“スクールロイヤー”の導入が進められ、今後は法律との親和性を高めていかなければいけない。本書は弁護士と精神科医の共著となっており、学校現場で起きる多様な問題を丁寧に解説する。

 各章ごとに「いじめへの対応」「特別な配慮を要する子どもたちの問題」「特に対応が難しい保護者要求」といった生徒に限らない多様なテーマを特集。学校関係者の質問に著者が解答を示す形式のため非常に読みやすい。具体的には、いじめ被害をかたくなに認めない生徒、落ち着きがない生徒がクラスメートにけがをさせてしまい保護者から「子どもを安心して通わせられない」と言われた時など、多種多様でありながら学校関係者であれば、いつ遭遇してもおかしくない事象を扱っている。

 各ケースごとに法律だけでなくメンタルヘルスの観点から提言がなされ、自分自身が適切な対応を講じられることにとどまらず、生徒や保護者の安心安全を広範囲で確保することが望めるだろう。

 分筆担当者の回答内容に不一致があったことから、「この本は不完全です」と潔く認めており、法律やメンタルの専門家が知恵を寄せたからといって、学校問題の最適解が出せるわけではないことを体現。それでも、本書に示されているテーマは、いずれもがいつでも起こり得る、避けては通れないもののため、学校現場の最前線に立つ者であれば目を通しておきたい。

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