(円卓)学びについて

松本大学客員教授/松商学園高等学校長 長野雅弘

 今日の復習は今日中にすること。さっと見て頭の中だけで行うのではなく、必ず手指を動かして書いて行うこと。授業の最後に学生・生徒に話す私の必須事項である。

 過日、ノルウェー科学技術大学研究チームが「手書き学習の効用」を発表した。ドイツの「手書き学習」実践有効性報告もされた。日本では公私教育に携わる先生方から「手書き学習」についての職人肌感覚による実践有効性報告もされた。

 私の実践およびこれらの実践報告にはエビデンスが存在している。手指は脳と直結している。故に、脳への刺激、それによる脳の活発な動きを促している。具体的に授業および復習を一連の流れで見てみる。

 「授業を聞く⇒メモを手書きで取る」ことにより、ただ文字や数字を書き出すのではなく複数情報を脳に記憶させる。それのみならず、脳の複合的な動きを促している。「復習をする⇒手書き」の効用で復習情報を整理整頓し深く記憶に結び付けている。この時点での短期記憶が、長期記憶に移行する速さや移行時の幾つもあるハードルの乗り越えやすさを主張する研究者たちがいる。100%のエビデンスではないためこのような表現にした。

 冒頭で触れた私の必須事項は実証に基づく事柄であるが、なぜ自分自身が行うかについて述べる。

 学びについて最も有効なのは、たゆまぬ努力と継続である。大人よりも脳の完成(おおむね24歳から25歳)に至っていない学生や生徒は絶えず悩んだり苦しんだりする場合の確率が高い。学びという点においても同じで、悩んだり苦しんだりした結果、努力や継続を放棄しがちになる。

 そうならないように支えるのは、大人(学校の場合は教師)や先輩、同級生である。特に教師の支えが大きい。強制的に一方向に子供を引っ張っていくのではなく、明確な有効性を示すこと、話をしっかり聞くこと、そっと背中を押すことが望ましいし効果がある。

 ティーチングにコーチングをプラスした形である。また、時折話すのではなく、習慣化するまで絶えず話していく必要がある。習慣化した後には学生・生徒が手法をいろいろ考えて、自分自身に最適な手法に変えていけば良い。

 学校の責務の一つである「学び」についての私の知見である。

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