(鉄筆)マスクの下……

 「笑顔で営業中」「マスクの下は笑顔です」。近所の商店に貼り出されていたチラシの文言だ。マスクに顔の下半分の絵を描いて笑顔にしている店員さんもいる。マスクでは相手の表情がよく分からない。機嫌よく対応しているのに機嫌が悪いのではないかと誤解を受けることもあるだろう。

 10月から緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されたが、まだまだマスクなしの生活はできない。7月に前文科相が記者会見で、教師の表情が見えやすい透明のマスクの使用を考えていることを発表した。

 口の動きがコミュニケーションに大きな役割を果たす小学校入学前の子供や聴覚障害のある子供に対して、教師が透明のマスクを着けて表情や口の動きが見えるようにして効果に関する検証を行ったという。結果はまとまり次第公表し、指導充実に向け活用していくとのことだった。

 心理学者のアルバート・メラビアンは、直接顔を合わせて行うコミュニケーションには言語の内容、声のトーン、ボディーランゲージの3つの要素があり、感情や態度の意味が相手に正しく伝わるようにするためには3つの要素が同じ意味を持つようにすることが重要だとしている。

 マスクをしていると表情が読み取りにくく、感情や態度が伝わりにくいため、言葉で発する内容だけでなく声の調子や身体的な表現で補うことが大切になる。コロナ禍において、各学校で教師はこのようなことに気を配って指導に当たってきた。今回の文科省の取り組みがどのような成果があったのか、検証の結果を知りたいところである。

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