(鉄筆)ノーベル賞が今年も……

 ノーベル賞が今年も発表された。現在は米国籍だが、日本人の受賞は物理学賞の真鍋淑郎氏1人だった。ノーベル賞の部門6部門中、3部門は自然科学分野、いわゆる理系であるが、過去の日本人受賞者25人(外国籍3人)のうち23人はこの分野から選ばれている。

 ところが先日、大学などの高等教育機関に入学した学生のうち、理系分野に占める女性の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、日本が最も低いことが判明し、ノーベル賞どころか今後のわが国の理系分野の行く末に警鐘を鳴らした。

 それによると、自然科学分野では女性の割合が加盟国の平均で52%だったのに対し、日本は27%と最も低く、トップのスロバキア(65%)の半分以下の水準である。OECDは日本の女性の知識や能力は高いと強調した上で「日本では女性の進路に関するイメージの押し付けが強いことに加え、身近に理系分野で具体的な目標となる女性が少ないことが影響している」と指摘している。

 理系の大学生が減少する傾向はかなり以前より指摘されている。文科省は学習指導要領の改訂で理数系教科の時間数を増やすなど対応を行ってきたが、それも限界に来ている。特に理系女子対策はOECDの指摘を待つまでもなく深刻だ。

 思い切って、理系女子を優先した入試制度や奨学金制度の増設、結婚し出産しても安心して仕事が続けられる企業への国からの優遇措置など官民一体となったリケジョ育成のための環境づくりを女性の社会進出の突破口にするのも一考ではないか。

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