子どもを支援する教育の心理学

村上香奈 山崎浩一 編著
ミネルヴァ書房
2750円

 いじめや学力不振といった不安に加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって精神的に追い詰められている子供は増加傾向にあり、学校関係者だけでなく保護者も心理学を知っておかなければいけない。本書は3部構成、16章に分けて教育心理学をメインに据え、包括的な心理学を学習できる。

 第Ⅰ部は乳幼児期、小学生、中学生・高校生といった各発達段階に見られる心身の変化から、子供がどのような環境に身を置かれているのかを紹介。さらには、「ルビンの図地反転図形」や「オペラント条件付け」など、心理学の基礎的なカリキュラムが特集されているため、現在は忘れてしまった知識を思い出させてくれる。

 虐待や発達障害といった学校現場で問題視されているトピックをまとめた第Ⅱ部から目を通しても良い。統計データを用いつつ現状の課題が端的に取り上げられており、内側にいるからこそ見えにくい客観的な学校現場の姿を確認できる。

 そして、カウンセリングを実施する際のマインドセット、クライアントの考えや行動を肯定する〝コンプリメント〟といった具体的なテクニックがつづられた第Ⅲ部。「ゲーム障害とは何か」「引きこもりと8050問題」といった昨今報じられる機会が増えた社会問題を解説したコラムなども読み応えがある。全編通してさまざまな角度から押さえておくべき情報が網羅されており、職種や子供の有無に関係なく目を通したい1冊。

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