Society5.0に向けた進路指導 個別最適化時代をどう生きるか

西川純 網代涼佑 著
明治図書出版
1760円

 冒頭から「現在の教育は、安価で大量な規格化された人材を生産するシステムなのです」と言い放ち、かねてから問題視されていた生徒に画一性を求める従来の学校教育の在り方を否定。国籍や性別に限らず、障害の有無や能力差にも留意した上で、生徒一人一人に最適な進路を選択する必要性を示し、ICT化や多様化が定着するこれからの社会(Society5.0)に求められる進路指導を記した指南書となっている。

 前半は「いい大学に入り、いい会社に就職する」とされていた従来の成功パターンが崩壊し、大卒であっても正規雇用が約束されなくなった現状を解説。続けて、子供が一生涯幸せに過ごすためのポイントとして「自分自身に合ったものを見いだし、それを武器にできる仕事に就職すること」「自分自身の生まれた地域で人的ネットワークを創り上げること」という2つを挙げ、これらを獲得する進路先として〝広域通信制高校〟の可能性を説く。

 中盤以降は角川ドワンゴ学園が経営する通信制高校〝N高〟を特集したり、「ちゃんと卒業できるの?」「友達はできる?」といった質問に回答したりするなど広域通信制高校の魅力の詳細をあらわす。後半部分は教育改革や教師の働き方について言及されており、子供に関わる全ての人が考えなければいけないトピックが並ぶ。

 進路指導の選択肢を増やすだけでなく、現在と未来の教育を直視させてくれる。

 

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