(円卓)個別最適な「遊び」を薦めよう

千葉敬愛短期大学学長 明石 要一

 コロナ禍の中、子供たちの遊びが減ってきている。

 放課後が消えただけでなく、学校や家庭での遊びが少なくなっている。学校では3密を避け、業間休みでもグラウンドに出る児童が減っている。

 家庭でもタブレットを使った宿題が増え、外に出掛けるチャンスがほとんどない。今こそ、子供たちの世界で遊びの復権が望まれる。

 ヒントは、30数年前に提唱されたチャレンジランキング(略称チャレラン)にある。これは子供たちの世界で遊びを復活させようとした仕組みの提案である。教室ではやっている遊びやお楽しみ会で子供が熱中した遊び、地域のお祭りなどではやっている遊びで順位を競うのである。

 遊びのメニューは、個人が挑戦する種目と団体協力種目に分けられる。

 団体協力種目は、例えば、新聞紙の上に協力しながら何人が載れるか、大繩跳びで数十人が何回跳べるか、などがある。個人挑戦種目ではリンゴの皮むきの代わりに「一分間紙ちぎり伸ばし」で長さを競う。

 空き缶を何個積めるか、傘バランスと言って、傘の先端を指で支えながら何分間支えられるか、を競う遊びもある。

 空き缶積みの日本記録は28個である。紙ちぎり伸ばしの記録は3メートルを軽く超えている。ここで興味深いのは記録保持者たちは、「空き缶積みでは日ごろから積みやすい空き缶集めをしている」「紙ちぎり伸ばしでは紙に『流れ目』(真っすぐにちぎれる目)のあることを見つけている」「傘バランスでは目の視点をどこに持っていくか、会得している」などである。

 遊び体験は大人になると効果がある、というエビデンスがある。遊びの「量」も大切であるが、遊びを考え出すことや熱中する「質」はもっと有効だという。個別最適な学びと協同的な学びの必要性が叫ばれている。チャレンジランキングが提唱する遊びメニューはこれらに対応できる。

 子供たちの学びを深めるためには、個人挑戦種目での個別最適な「遊び」と団体協力種目での協同的な「遊び」が欠かせない。それらが基礎基本となる。遊びが子供の成長を促す、というフレーズを再認識する必要がある。

 

あなたへのお薦め

 
特集