(鉄筆)「見る力」を発揮……

 「『見る力』を付けたい」。末松信介新文科相が初めての記者会見で発した言葉だ。「現場に赴いて、子供たちや教師の姿を見て内容を聞けるような立場に身を置くことが大事」「総理が『聞く力』と言うのだったら、自分は少しでも時間があれば『見る力』を付けたい」と語っている(10月11日付本紙)。

 「見る力を付けたい」と言うことは、現在「見る力」は弱いということか。首相が「聞く力」を言うのは特技としての力を発揮するということだが、文科相はこれから付けると言う。早く「見る力」を付けられて教育現場、学校現場をしっかりと見てもらいたい。

 本気で見るのなら、視察と称する用意された環境や姿をうわべだけ見るのではなく、中身や背景をしっかりと見取ることが必要だ。「みる」には「見る」とともに「観る」「視る」もある。「自分の目で実際に確かめる」「自分の判断で処理する」の意がある。大臣は「子供たちや教師の姿を見て内容を聞けるように」と話している。見て終わりではなく、見たことから「問い」を持って声をよく聴いてくれそうだ。

 新型コロナウイルスの子供たちへの感染が不安視されている。内容が削減されていない教育課程の下、GIGAスクール、ICT、個別最適な学びなどにより、子供、学校・教師が追い立てられている。いじめ問題、不登校の増加、精神疾患を患う教師の増加、働き方改革など課題山積だ。

 「見る力」を発揮した結果が教育の向上、学校現場の課題解決に資することを期待したい。教師や子供たちはそれを望んでいるだろう。

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