(鉄筆)指導主事……

 「指導主事が学校に来ない」「来るのは指導室訪問だけ。全教員に指導案を作成させ、1教室を1分くらい見て指導助言もなく帰ってしまう」という声を、何人かの校長から聞いた。指導主事は教育課程、学習指導、その他学校教育に関する専門的事項の指導に当たる職である。

 最近、小学校において1人1台配布された情報端末を使ったいじめが報道された。臆測でものを言うのは厳に慎まなければならないし、自殺との因果関係は不明だが、少なくともいじめがあったのは事実のようだ。いじめを未然に防ぐことができなかったのかという思いを強くする。

 この学校はICT活用の推進校であり、校長はこれまで他校や教委で先進的に取り組んできたという。そこに今回の件の落とし穴があったのではないか。かつて東京都知事であった鈴木俊一氏は「遠くを見よ。周りを見よ。足元を固めよ」と職員に訓示したと聞く。指導主事をはじめとして教委は、校長の経歴を前提に学校の教育活動を見てしまい、足元を固めることができなかったのではないか。

 学校に行き、例えば1年生のICTを使った活動を見れば「IDやパスワードの管理は大変ではないか」という疑問が湧く。教育課程や指導計画、教師の指導と子供たちの学びを見て感じることを校長に尋ね、意見の交流をしていれば、今回の件を未然に防ぐことができた可能性がある。

 学校の状況が分かるのは指導主事である。役所で事務処理をするだけではなく、学校へ行って専門性を発揮し、学校とともに教育を創ることが求められている。

あなたへのお薦め

 
特集