(鉄筆)藤井聡太四冠……

 小学生の頃、難解な詰将棋の問題を考えながら歩いていたら何度かドブに落ちた。少年の名は藤井聡太。母親は好きなことをとことん考えるのはいいことと感じながら洗濯機を回したそうだ。

 19歳になった藤井青年は、また将棋の最年少記録を塗り替えた。第34期竜王戦で4連勝し初の竜王を獲得。19歳3カ月で史上最年少四冠を成し遂げた。本欄で初タイトルを獲得し新棋聖となったことを取り上げた時は17歳11カ月。快進撃だ。

 メディアでは、「読みの速さ、深さ、正確さは突出している」「不利な局面でも焦らず、巻き返す胆力を備える」などと紹介している。逸話も紹介している。「立会人らが次の手を予想し盤に示すが当たらない」「1秒で数千万手を読む将棋AIが、かなりの時間をかけて藤井新竜王の差し手を最善と判断し、AI超えと称賛された」など彼の頭の中はAIにはできない創造の世界なのだろう。

 中原誠第16世名人は「盤上で人間の無限の可能性を示してくれる藤井さんの将棋を見られる時代に生きていることはとても幸せなこと」と語っている。今回の本欄執筆中に王将への挑戦権を獲得という報が入った。史上最年少五冠達成に向けて突き進んでいる。

 パソコンを自作し将棋AIを使いこなす藤井さんはデジタル一辺倒ではなく、アナログの良さも取り入れているという。小学校の頃から新聞を読む、歴史小説も好き、SNSはまったくやらない。小中学生に聞かせたい話だ。AIの時代でも何かに夢中になり、とことん考える子供たちを育む環境をしっかりと守る義務が大人にある。 GIGAスクール構想に基づき、全国の小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末が整備されている。国の調査によると今年7月末の時点で96%以上の小中学校で、全学年または一部の学年で端末の利活用が行われているという。

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