星明かり

熊谷千世子 著
宮尾和孝 絵
文研出版
1540円

 性別が分かりにくい“昴”という名前に悩まされる小学6年生の女の子が主人公。昴のもやもやは名前だけではない。自分を生んだ際に実母を亡くした過去を持つ。現在は父、義母、父と義母の間に生まれた妹の4人暮らし。家庭内の立ち位置に違和感を覚えながら生活している。

 ある日、フラストレーションを爆発させ、自身の名前に対する不満をぶちまけ、義母にもつっけんどんな態度を見せる昴。その複雑な心境をくんだ父は、名前の由来を教えるため、実母の故郷である長野県の小さな村に連れていく。

 ジェンダーだけでなく、ステップファミリーの難しさもうかがえ、普通や常識と呼ばれるしゃくし定規の不安定さに気付く。読了後、「家族の幸せ」がいかに多様で、いかに美しいのかを感じさせる。

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