(鉄筆)真珠湾攻撃から80年……

 「鼠壁を忘る壁鼠を忘れず」傷つけた側はすぐ忘れるが、傷つけられた側は恨みをいつまでも忘れないという例え。戦争で悲惨な被害を受けた側の恨みは百年、千年と引き継がれている。

 12月8日は日本軍がハワイの真珠湾攻撃を決行し米国と戦争を始めた日だ。8月15日の終戦の日は知っているが開戦の日は知らない若い人も多いと聞く。どのような経緯で戦争を始めたのかを知ることは、二度と戦争をしないために大切なことだ。今年で80年になることで報道が多かったのは喜ばしい。

 同日にはマレー半島への上陸作戦により英国とも戦端を開いた。マレー半島では日本軍が英国人捕虜を鉄道建設に動員するなど、劣悪な環境に置いたことで戦後も日本への反感が強く残った。98年に天皇陛下(現在の上皇さま)の英国訪問の際、元捕虜の人が日の丸を焼いて日本軍の虐待に抗議した。

 こうした恨みなどへの和解と関係改善に努力する人々が今も活動していることを知った。日英の戦後和解に取り組む民間団体の「アガぺワールド」は「和解の旅」を企画し、元捕虜の人々を招待し国内の英軍捕虜の墓地などを訪れるなど地道な取り組みを行ってきた。現在も元捕虜の子や孫らを招待し、戦争の歴史を振り返り平和を誓う「和解の旅」は続けられている。

 「戦後和解の積み重ねは英国の日本への信頼を下支えしている」と言われる。開戦の経緯とともに過去を忘れず平和を願う取り組みが続けられていることを子供たちに伝えてもらいたい。平和は自らがつくるものということを考えてほしい。

あなたへのお薦め

 
特集