こども六法の使い方

山崎聡一郎 著
弘文堂
1430円

 2019年に刊行された『こども六法』は、家庭や学校現場で注目を集めた。しかし、子供を叱る際に「法律で禁止されているから駄目」と説得力を持つために法律を利用する大人が少なくないのを危惧した筆者が、同書との向き合い方を大人向けにまとめた指南書。

 いじめやブラック校則といった子供に関連するシビアな問題に触れつつも、「なぜこしあん派は粒あん派を尊重すべきなのか」という章が設けられているように、今回も法律という難しいテーマをユーモラスに解説する。基本的には法律について多角的に論じながら展開されるが、「もし子どもが悩みを相談してきたら、どんなに忙しくても、どんなに話が荒唐無稽であっても、どうかちゃんと聞いてあげてください」という訴えは印象的だ。法律は身を守るための有効手段になり得るが、信頼できる大人がいなくては、助けられるものも助けられないことを頭に入れなければいけない。

 他にも、池上彰氏や尾木直樹氏、信田さよ子氏など、教育分野における著名人によるコラムも掲載されている。独自の目線で『こども六法』の活用方法を示しており、多様なアイデアを取り込みながら、子供に法律を学ばせるための引き出しが増えていく。法律の学習は、あらゆる理不尽から身を守れるだけでなく、他者に対する思いやりも根付かせることができる。法律と教育の橋渡しとなる一冊であり、『こども六法』だけでなく、一緒に読んでおきたい。

あなたへのお薦め

 
特集