(鉄筆)2021年の漢字は「金」……

 毎年暮れになると、清水寺の森清範貫主が「今年の漢字」を揮毫(きごう)する。2021年の世相を漢字一字で表現する「今年の漢字」は「金」であった。

 オリンピック・パラリンピックで日本選手が史上最多40の金メダルを取ったこと、大谷翔平選手が大リーグ初の二刀流でMVP受賞、松山英樹選手の日本人初のマスターズ制覇、藤井聡太棋士の最年少4冠達成など、金字塔を打ち立てたことが主な理由だ。

 オリパラの選手、大谷、松山、藤井の3氏は本欄でもその業績をたたえてきた。「金」は「古代から最も価値が高い貴金属として何ものにも代え難い存在」とある。「金」となる業績が代えがたい難いものとしてさまざまに影響を与え、多くの人々の心に残った。

 「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会が主催し、一般公募で最も多かった漢字が選ばれる。昨年の応募総数は22万3773票で、「金」は1万422票(4・66%)だった。「金」の理由には飲食店への休業支援金・給付金、子育て世帯への臨時特別給付金、新紙幣印刷開始や新500円硬貨流通などお金にまつわることも多かったようだ。

 金メダル、金字塔の人々の活躍は子供たちに夢や希望を与えたが、子供たちは「キン」と聞いて何を思い浮かべるだろう。禁止の「禁」ではないか。「接するな」「マスクを外すな」「会話するな」「大声を出すな」「黙って食べなさい」など。20年の今年の漢字は「密」。密を避けるために禁止されたことが多く窮屈な学校生活を送った。22年は「禁」ではなく子供たちにとっての「金」をたくさん経験できる年になってほしい。

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