(鉄筆)女性管理職……

 2021年はある意味、「女性の人権」が世界中で話題になった年だ。象徴的だったのが東京オリンピック・パラリンピックにおける一連の騒動である。元首相の女性蔑視発言、開会式の演出担当者による女性タレントを動物に例えた演出案などがあった。

 そんなタイミングの中、昨年12月に文科省が発表した学校基本調査の公立学校における女性管理職の数に注目した。それによれば、女性管理職の数は前年度から865人増加し1万4357人となり、管理職に占める女性の割合は21.1%で過去最高を更新した。このうち女性校長は5655人(17.7%)、副校長・教頭は8702人(24.1%)だった。

 この数字は、国が定めた「第5次男女共同参画基本計画」の目標である2025年までに校長で20%、副校長・教頭で25%に限りなく近づいたともいえるが、果たして手放しで喜んでよいものか。

 国立女性教育会館によれば、女性管理職が少ない背景として、女性の家事・育児などの家庭生活の役割負担が大きいこと、副校長・教頭の長時間労働の割合が特に高いことなどを挙げている。一般企業も実情は同じであろう。こうした課題の根本的解決が図られないうちは男女平等参画社会の実現は程遠い。

 「女性は働いていても家事をやるもの」といった固定観念の払拭のほか、副校長・教頭の業務負担の軽減を、女性管理職の割合が多い欧米の体制を参考にするなど、社会全体で構築していく必要がある。それにはまず教育委員会などが女性教員の本音をもっと傾聴する姿勢を持つことではないか。

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