AI×データ時代の「教育」戦略

著者:渡部信一
大修館書店
1760円

 新型コロナウイルスの感染拡大により、デジタル化を進めなければ子供たちの学ぶ権利の保障が難しくなった。しかし、いかにしてテクノロジー導入と向き合って良いのか混乱している現場も少なくない。本書では、学校教育においてデジタル化がもたらす今後を予想しつつ、子供が養うべき能力について検討する。

 5つの“戦略”から展開されており、戦略Ⅰではオンライン授業の歴史を紹介。第0ステージとして1985年から開始された放送大学を出発点に、第3ステージとして現在普及したオンライン教育など時代ごとの背景をまとめる。戦略Ⅱは「Amazon Go」や「自動運転」といったAIが実生活に進出し、ますます便利になる未来を記す。戦略Ⅲは「『AI教師』の登場により、人間教師の『知識やスキルを教える』という役割は失われていく」というテクノロジーの進歩を素直に喜んで良いのか悩んでしまう予想も見せる。

 そして、現在の若者の価値観を解説した戦略Ⅳは、Z世代と携わる全ての人に目を通してほしい。勉強も友達付き合いもオンライン化した時代で、リアリティーをどのように担保すべきなのか改めて考えるきっかけになる。

 さまざまな研究者の意見を踏まえ多角的に論じられており、ニュートラルな学校現場のデジタル化について吸収できる。テクノロジーと共存していく潮流は一般化するため、本書を通し今のうちに知識をアップデートしておきたい。

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