ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる

ギタンジャリ・ラオ 著
くもん出版
1650円

 著者は「水道水から鉛を検出する装置」「いじめ防止アプリ」など、科学の力であらゆる社会問題に取り組む2005年生まれの女性。STEM分野の知識技術を活用し、アイデアを具現化して社会の問題解決を実現するための方法を記した参考書だ。

 序盤は社会問題に関心を持った背景や生きがいを見つけることの重要性など、著者自身の現在に至るまでの過程を整理する。中でも、STEM分野に女性が参加しにくい現状を嘆く箇所は印象的だ。「女性がSTEMに関わらなければ、女性特有のニーズや経験が見過ごされてしまうかもしれません」と主張しており、男女平等が実現されないリスクを啓発する。中盤からはイノベーションを起こすための5つのステップが丁寧に記されており、子供だけでなくビジネスパーソンも学べることは多い。「観察する」「ブレインストーミング」「調査する」「制作する」「伝える」に分割し、ステップごとに具体的な取り組み方を丁寧に解説。「自分でも社会に役に立つアイデアが思いつくかも」というわくわく感を覚える。

 「技術的な研究論文の書き方」や「助成金や奨学金を得るための情報源」など、研究者の道を目指すために必要な情報も掲載。実践的な「歩き方」まで書かれているのはありがたい。SDGsが注目され、社会問題に対する関心は高まった。本書をきっかけに、「どうすれば解決できるのか」まで考えられる力が身に付くだろう。

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