オイモはときどきいなくなる

田中哲弥 著
加藤久仁生 絵
福音館書店
1540円

 小学3年生のモモヨの家で飼っているオイモは、臆病な性格でヘンテコな動きを見せる変わったイヌ。ときどきいなくなるけど、いつもは暗くなる前に帰ってくる。その日は待てど暮らせど帰ってこない。心配しているモモヨとは違い、家族は慌てることもなく、特に気にする様子はない。

 中学生のお姉ちゃんのみどりや近所に住む格好いい高齢女性のレオンさん、そしてオイモとのやりとりはユーモラスかつ小気味良い。ただ、読み進めていく中で生じる違和感がどんどん募り、楽しいだけでなくどこかはかない。

 鮮やかな水彩画の挿絵も豊富でページを眺めているだけでもノスタルジックな世界観に浸らせてくれる。小学3年生から見えている世界が見事に表現された内容で、大人だからこそ読んでほしくなる。 

あなたへのお薦め

 
特集