弁護士によるネットいじめ対応マニュアル 学校トラブルを中心に

細川潔・和泉貴士・田中健太郎 著
エイデル研究所
2750円

 子供のいじめは、今やSNSなどのネット上でのものが中心となってきているが、残念ながらネットいじめへの技術的な対応策は確立されていないのが実情だ。

 本書は、インターネット事件を専門とする弁護士と、子供のいじめ自死事件などを専門とする弁護士が共に事件を担当する過程で生まれた貴重な1冊である。ネットいじめ被害を受けている児童生徒の保護者や、保護者から相談を受けた学校教員、ネットいじめ事件処理の経験が少ない弁護士らを対象に、ネットいじめという解決が難しいとされている領域における実効性のある対応策を紹介している。

 ネットいじめ事件ではいじめの証拠を集めることが最重要課題であるが、証拠収集段階では「教育現場での対応」と「裁判手続きを使った証拠収集」(発信者情報開示請求など)の組み合わせが極めて重要である。このことから、2章では、学校や教育委員会を通じて証拠収集を行うために必要となる法律を、3章では、裁判手続きを使った証拠収集に必要な法律知識を解説。2つの手法を併用して、積極的に情報・証拠を収集する方法を論じている。

 4章では、証拠を根拠に誰にどのような責任追及が可能かを説明。5、6章では「ネットいじめの実践」と題して、投稿削除、謝罪や再発防止、学校や加害児童生徒への責任追及など、実際に弁護士に寄せられた相談事案を紹介しながら具体的な対応方法を解説する。

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