メンタルトレーナー 加藤史子
新型コロナウイルス感染拡大の第6波が到来し、教育現場でもこの状況がいつまで続くのかという疲れが出てきています。先生方や子供たちの心にも不安感や苦しさを抱いている人も多いようです。そのような中、心のケアとして学校で何ができるか、「黙想」という視点でお伝えします。
黙想とは、静かに目を閉じてリラックスしながら、特定のテーマに意識を集中することです。特定のテーマでイメージを広げていくことにより気分が良くなります。例えば、大自然、好きな食べ物、感謝していることを思い出すなど簡単にできる黙想は多くあります。
不安なときは、不安になるようなイメージを持っています。不安の代わりに、幸福感をもたらすようなイメージをすれば、気持ちは効果的に切り替えられます。
実際にどのように黙想を実践できるのかを紹介しましょう。
▽喜びに意識を向ける黙想
(1)目を軽く閉じ、深い呼吸を3回した後楽な呼吸に戻します。
(2)あなたに喜びをもたらすものをイメージしていきます。思わず笑顔になることや、楽しい気分になることは何でしょうか。好きなこと、楽しいこと、うれしいこと、わくわくすることなど、あたかも今、体験しているところを想像します。どんなことでもいいので、想像しながら喜びの感覚に浸ります。
(3)満足するまで体験したら、ゆっくりと呼吸をしながら目を開けて現実の世界に戻ってきます。
▽感謝の黙想
(1)目を軽く閉じ、深い呼吸を3回した後、楽な呼吸に戻します。
(2)人生を振り返って感謝したいことを思い出していきます。想像に身を任せながら感謝したいと思うことや感謝したい人を見つけ、感謝の気持ちを感じていきます。
(3)ゆっくりと目を開けて現実の世界に戻ってきます。
感謝の黙想は、心のエネルギーを回復させ、気持ちを切り替えるのに役立ちます。喜びや幸福感を覚えているとき、心と体が整っていきます。私たちのイメージや思考は、常に細胞レベルに働き掛けているので、喜びを感じているとき免疫力は高まり、自然治癒力も高まっていきます。
どのような黙想をすれば心が整うのか、自著『心を整える最強のツール 黙想のすすめ』(時事通信社)を参考にしていただければ幸いです。