(円卓)マネジメント力の発揮を

明海大学客員教授 釼持勉

 2021年度はコロナ禍のさまざまな影響を受け、感染者数が落ち着いた時期でも感染防止を最優先にしていた。学校現場では、いわゆる「学びを止めない」を何とか維持したというのが現状であったと思われる。学校によっては、教師の資質向上として最低限必要である研究授業を簡略化したり、取りやめてしまったりしているところもあった。多くの教員は、心も体も強い負担感に耐えていたことと思われる。

 学校評価、教育課程編成を終えて、22年度に向けて動き出している時期ではあるが、教育活動を真摯(しんし)に前に進めていけるだろうか。果たして、学校は本来備えている機能を生かして、児童生徒に寄り添った学校づくりに取り組むことができるのだろうか。

 昨年11月に実施された和歌山県白浜町立富田中学校の研究発表会にコーディネーターとして参加した。同校は10年先を見通した若手教員の資質能力を開発する協働的で持続可能な学校組織の構築により、次代を担う生徒にとって必要な資質・能力を育成する学校組織開発、カリキュラム・マネジメント、授業改善の推進を進めている。自律的で開かれた校内研修(オープンセミナー)などが特徴的な取り組みで、教科の壁を超えて、よりよい授業づくりを全教員で推進していた。

 今年2月には、東京都江戸川区立第四葛西小学校の教科担任制の在り方の研究発表会が開かれ、やはりコーディネーターとして招かれた。「小学校における教科担任制の導入と効果的な運用―多面的な児童理解と教員の指導力の向上を目指して」が研究課題であり、大規模校として第3~6学年に教科担任制を取り入れて成果を挙げている。特筆すべきは、教科担任制に対する全教員の理解度が高く、若手教員が多数いる中で人材育成を機能させている点である。

 両校とも確固たるビジョンの下に、最終ゴールに向けてのプランを綿密に描き、教師のための教科担任制ではなく、児童生徒の学ぶ力を育むための教科担任制の研究であった。「ウィズコロナ」時代の研究の在り方のモデルとして2校の研究成果をさまざまな形で広めたいと考えている。

 次年度以降も「ウィズコロナ」の中で学校教育を進めていくことになるだろう。学校の全体像を描く管理職のマネジメント力を最大限発揮していくことが求められる。

あなたへのお薦め

 
特集