
佼成出版社
1650円
子供の死亡率が高いミャンマーにて、25年以上にもわたり無償で医療を提供し続けている小児外科医の吉岡秀人氏。その半生を振り返りながら、命だけでなく心まで救おうとする懸命な活動を取り上げたノンフィクション。
医療費を払えない患者だけではなく、医療設備が整っていない環境。日本の医療を受けさせようにも、軍事政府の決まりにより医療を目的にした出国が禁止されているなど、立ちはだかる困難は少なくない。周囲の優しさに支えられ、強い意志により前に進み続ける姿に胸が熱くなる。
日常に空虚感を抱いていた小学生時代の様子から医者を志した背景など、年齢ごとの心境が記されており、世代問わずに自己投影しやすい。想い一つあればどんな挑戦でも価値があるのだと教えてくれる。