先生たちのリフレクション

千々布敏弥 著
教育開発研究所
2200円

 近年、〝主体的・対話的で深い学び〟が教育現場で強調される中、本書では授業の進め方や言動などを内省する〝リフレクション〟の必要性を説く。あえて足を止め、授業内容から学習指導要領が提示する意図まで幅広く振り返り、今現在求められている教育の在り方を掘り下げる。

 とは言え、すぐにリフレクションを話題の中心には据えない。序盤から中盤にかけては、秋田県やカナダ・オンタリオ州の事例を引用したり、教育学者の見解に疑問を呈したりなど、多角的にリフレクションが不可欠な取り組みであるのかを段階的に紹介。読み進めていくうちに、生徒よりも教師自身こそが〝主体的・対話的で深い学び〟を意識することが重要であると気付く。

 終盤からは、具体的にリフレクションに関する議論を展開。汎用(はんよう)的な原則を技術的に応用する〝技術的リフレクション〟、個人的な体験や認識などを分析して実践的な行動に方向付ける〝実践的リフレクション〟、授業において意識すべき目的自体を常に見直す〝批判的リフレクション〟の3段階に区分し、各リフレクションが活用されるべきタイミングや方法論をケースごとに紹介。加えて、「教師のリフレクションを促すのは手法ではない、姿勢だ」と管理職目線の提言もなされている。

 「授業改善に着手したいけど、何から手に付けて良いか分からない」と頭を抱える学校関係者の必読書になりそうだ。

 

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