(鉄筆)小学校の教科担任制……

 小学校高学年の指導の難しさを、多くの教員から聞いた。内容が専門的になるだけでなく子供一人一人の個性がはっきりしてきて、1日、その子と向き合うのが苦しいこともあるという。

 今国会で今年度から小学校高学年に教科担任制を導入する予算が成立した。外国語、算数、理科、体育を指導する教員950人分の予算を確保し、4年程度かけ3800人にする。

 文科省は教科担任制を導入する意義として「課題解決力を付ける学びへの転換」「ICTを活用したEdTechの導入」「義務教育9年間のシームレス化」「多様な人材が支える学校の実現」を掲げている。実態はどうか。

 ある自治体では算数の少人数指導の教員を加配。担任と加配の教員で学年の全児童を学級数プラス1で分けて指導することにより学力の向上を狙っている。キーは少人数担当の教員である。学年を超えて学習内容を見通し、系統的な指導計画を立て習熟に応じた指導方法を各学年の教員に提案できる力が期待される。ある校長の話では、授業や学級経営の力がない教員をこの担当に充てざるを得ないという。他の学校でも起きていると聞く。

 学校で研修やOJTを行い教員の資質・能力の向上を図ることは限界だ。教員の質が担保されずに教科担任制を進めても成果は得られない。「倍率の低下は質の低下を招く」と言われる。小学校の教採試験の倍率を上げることが最優先の課題である。業務の改善を図るとともに処遇の改善を図り、質の高い教員候補が強い思いを持って教員になれる環境を整えていくことが求められる。

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