個別最適な学びと協働的な学び

奈須正裕 著
東洋館出版社
2200円

 「主体的・対話的で深い学び」を実現するため、ICTを最大限活用し、多様な子供たちを取り残すことなく育成する「個別最適な学び」と、子供たちの多様な個性を最大限に生かす「協働的な学び」が重要なテーマとなっている。

 本書は、山形県天童市立天童中部小学校の取り組み事例を通して、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実がどのように実現可能なのか考える。

 第2章では、天童中部小学校で取り組んできた「自学・自習」「マイプラン学習」「フリースタイルプロジェクト」という3つの学習スタイルを解説。授業の様子や子供の姿を通して、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の可能性を具体的に紹介する。

 第3章では、子供が自立的に学び進める学習の基盤となる「子ども観」を根本から問い直し、第4章では「すべての子どもは生まれながらにして有能な学び手である」という見地に立って、どうすれば子供が自らの意思で主体的に学び始めるかを考える。

 第5章から第7章では、実践創造の原理としての自己決定的学習、環境による教育、新たな道具立てであるICTの可能性について検討する。

 見えてくるのは、教師の都合とタイミングで教える授業から、子供たちの都合とタイミングで学ぶ学習への転換だ。「特別な事例だから」などと思わず、ぜひ一読をお薦めしたい。

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